蕎麦のうんちくを語るではなく、蕎麦屋を憩いの場という観点から考察した(かったであろう)本。つっても、うんちくなしじゃ語れない部分はあるので、多少は蕎麦語も知ってた方がよかろう。
※ 知らない連中にとってうんちくでも、知ってる側から言わせりゃうんちくでもなんでもないことってあるのよ。
この本のファンタスティックな部分は、杉浦日向子の軽妙な言い回しとその視点。おかげで、行きもしない店だらけのガイドブックをへ~、ほ~とうなづきながら読了しちまった。ガイドブックとしてはありえない吸引力。
ついでながらこの書は複数人の評価より成り立っているが、杉浦の文章はオーラが異質。格が違う。すげーや。でも、このねぇさん他の連中の評にペン入れしてるだら?(笑)
さて、この杉浦だが、2005/7 に死んじゃったみたい。ボスに言われて調べてみたら、「百日紅」や「百物語」って、俺持ってるな。作者気にしてなかった。まあ、地獄の釜でうまい蕎麦でもたぐってくれや。
ref.
□ 月球儀通信:【訃報】杉浦日向子さん逝去