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安曇野ちひろ美術館

ちひろの作品は挿絵として見る物であって、文章から独立したものではないのだなと、それが今回の美術館訪問での感想。非常に断片的な部分はあるが。。好きな画家なのはたしかだし。

連れは楽しかったと言ってはいるが、一緒に多目的ホールでシエスタしてたときが一等くつろいでいたのを見ると説得力に欠ける。(俺は美術館のソファでお昼寝するのが好きだ

◎ 桜ん坊のいわさきちひろ:
この美術館に来る前まで、それでもわかってはいたが、俺の中でいわさきちひろは「平和」をテーマにした作家だった。それほどに彼女の描くこどもたちは強烈だった。

こどもたちは大人に訴える言葉を持たない(大人が耳を傾けないと言うべきか)。その点においては、ちひろの描くこどもたちにしてもそうだ。しかし、ちひろのこどもたちは、恐ろしく強い眼差しでその情念をかたくなに訴えかける。あれだけの個体数に対して、その眼差しの持つ意味がすべて異なり、ちひろはすべて描き変え、描き切る。その色彩とは裏腹にやさしい絵なんてどこにもない。その瞳は俺に怯えに似た感情を与える。俺が必死になって言葉で自身を守っているというのに、彼らの瞳は俺の薄っぺらな魂を冷ややかに見透かしているのだ。言葉を武器とする俺という人間にとって、それはとても辛い。

余談だが、「こども」を題材として取り上げるとき、俺は灰谷健次郎を真っ先に思い浮かべる。彼のこどもたちは、饒舌で尻込みせず、とても快活に啖呵を切る。それは、とてもわかりやすく、愉快なものだ。

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