「赤ずきんちゃん」や「長靴をはいた猫」、「眠れる森の美女」で知られるシャルル・ペローの童話を日本の作家がパスティシュした作品集。いずれも官能的に仕上げられているが、そもそも童話というものが、子供でも読めるが、大人が楽しむものというのが起源である以上、セクシャルなメタファは随所に埋め込まれている。そういう部分のスキャニング能力は、どういう人生を送り、どういう本を読んでき、どういう性癖があるかで天地の差が生じ、それでも想像力を駆使し作品全体を走査することが楽しいわけだが、この作品を読むと昨今ここまで書かんとわからんのかな?と思う。なんて想像力の欠如を憂う振りをしてみる。でも、こんな文章じゃただのエロティカルパレードだぜ。
まあ、ライトな読み物としては悪くないが、一般的には官能文学の類に投げられるだろうから取り扱いちぅい。