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[和書] 悪童日記(アゴタ クリストフ、堀 茂樹訳)



十数年振りに読み返した。内容はすっかり忘れており、新規の読み物として楽しめたが、当時感じたラストの衝撃はなかった。それでも寝るのを忘れて読んでしまうほどだから、十分か。

内容は、第二次大戦下のハンガリーでしたたかに生きる双子の少年たちの日記。でもこの日記には人名も地名も出て来ない。それどころか感情を表現する言葉も徹底的に排除されている。戦争という状況に日常を割り当てられた場合、ときに生きるために真摯であることがあまりに歪んだ狂気を産み出してしまうことを見事に表現した作品。

ref.
とみきち読書日記:『悪童日記』『ふたりの証拠』『第三の嘘』 アゴタ・クリストフ
落ちてくるものに反応する:アゴタ クリストフ「悪童日記」

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テーマの著者 Anders Norén