ロシア、ネットで発射知る? ミサイル察知に疑問浮上
2006年07月06日21時14分
北朝鮮のミサイルがロシアの日本海沿岸近くに落ちた問題で、同国の軍部がミサイル発射の察知も落下地点の特定もできなかった疑いが浮上している。ロシア紙は、国防省がインターネットを通じて発射を知ったと指摘。プーチン大統領が強調する「領土の一体性」を擁護する体制に疑問符を投げかけた。
ロシアのイワノフ副首相兼国防相は5日「我々は地上の設備を使ってミサイル発射を記録していた」と述べた。しかし発射当初、バルエフスキー参謀総長は記者団に対して「さまざまな情報によるとミサイルは10発以下だった」などと述べるだけで、ミサイルの種別や落下地点などの具体的な情報を示せなかった。
6日付のロシア紙コメルサントは「北朝鮮からのミサイル飛来は完全な想定外」だったと伝えた。国防省と参謀本部はインターネットで情報を収集していたという。同紙は、ロシアの人工衛星によるミサイル発射探知システムは米国領内しか対象にしておらず、太平洋艦隊も警戒態勢を敷いていなかったとしている。「独立新聞」は「極東にも警戒地域はあるが、北朝鮮は含まれていなかった」との専門家の見方を伝え「完全な無防備状態」を批判した。