はるかぶりの帰省。
テレビのある部屋でごろんごろんしてると母、
お父さんの作った茄子の煮浸しがあるけど食べてみる?
あー、、うん。
冷蔵庫から出されたそれは夏の湿気で器もラップも結露していて、
それがそのままテーブルに置かれる。
これだから実家はな、と思ったけれど、
父の作った茄子の煮浸しはほんのりと甘く、こくがあり、
香味野菜がほどよく効いていて、茄子はぷりっとしてしこっとしている。
こんな美味しい煮浸し食べたことない。(うちで目茶苦茶作ってるのに)
ようやくこの味が出せたって喜んでたわよ。
そっか。(調理人かよ)
母に聞いたところ、
調味料に特に工夫はなく、
とにかくことこと丁寧に煮詰めていたとか。
俺に美味しい物を教えてくれたのはこの父だ。
嫁にも食べさせてやりたかったけど、この日はひとりで帰省した。