今年の春に嫁と訊ねた六道の堤にが井月の辞世の句を彫った石碑がある。
何処やら
に鶴(たず)の声
聞く 霞か那
あそこで何度も声を出し読み返したがからっきし理解できずにいた。
このただの叙景句のどこが辞世の句なのかと。
最近、中井三好の記した書を読んではじめて
表層的ではあるがこの句の一旦を理解できたように思えた。
この時代、最早この句に達せる人はおるまいて。
俳句に興味のない俺が何故この男に興味を持つのか不思議だったが、
放浪の末に伊那谷に辿り着いた男への一方的なシンパシーか。
俺にとってムーミン谷と言えば、スナフキンだしな。